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FERROVIE DELLO STATO イタリア国有鉄道 |
娘と奥さんと僕はローマのテルミニ駅(Roma Termini)8時50分発のヴェネツィア、サンタ・ルチア駅(Venezia Santa Lutia)行きの列車に乗り込みました。
1990年4月、空はどんよりとした雲におおわれて、今にも雨が落ちてきそうな薄暗い朝でした。
フェツロヴィーエ・デッロ・スタート(FERROVIE DELLO STATO)とはイタリア国有鉄道で、FSとよばれています。
僕たち家族は日本でユーレイユパスを買って来ましたから、このパスでほとんどのヨーロッパの鉄道は乗る事ができます。しかし、ユーレイユパスは2等列車が基本です。
僕たち家族が乗ったヴェネツィア行きの列車は全車両1等列車です。列車内の雰囲気は小田急のロマンスカーみたいで特別車かも。同じ車両にいるのは僕たち家族とビジネスマン風のおじさん一人だけ、なんだか嫌な予感がします。
ローマからヴェネツィアまで約4時間かかるのです。列車がテルミニ駅を走り出して30分程した頃に飛行機の機内食みたいな朝食がでてきました、注文してないのに。
しばらくすると、こんどは娘にオレンジジュース、奥さんと僕にコーヒー、新聞、雑誌のサービス、ますますあやしい。
ヴェネツィア到着まぎわ、僕たち家族の前に車掌さんがあらわれて「乗車券を見せて下さい」。
僕は迷わずユーレイユパスを見せます。
車掌さんは「この列車は特別列車ですからこのパスだけでは乗車できません、追加料金をいただきます」みたいな事をいうのです。
僕はイタリア語がわかりませんから、「スイー、スイー」となま返事。
すると車窓さんはおもむろに48,000リラ(当時約8,000円)の追加料金が書かれた請求書を僕に手渡します。
しかたなく支払う事になりました。
48,000リラあればヴェネツィアの安宿に1泊できるのに。